旧1号の耳は、新1号など、後のライダーに比べて「エッジが立っている」と言われます。スチールなどで見る限り、確かにそう見えるのですが、それは意識的にそうしたのではなく、単純にモールドが甘くなったと考えるのが妥当でしょう。ただ、この違い、わざわざ指摘するほどのものとは考えていません。製作時(FRP成形後)の修正や、塗装のやり方に左右されたとも考えられます。もう一つの大きな違いである、穴の有無や色の違いよる印象が大きいのではないでしょうか。 実物のレプリカの場合だと、当然、修理が行われた後のマスクからのレプリカである可能性が高いわけで、その実物というものは古くても旧2号ということになります。そうすると、レプリカのための型取りを行う時点でエッジが立っている可能性の方が低いと思われますので、オリジナルとしてはエッジが立っていたと考えた方が妥当でしょう。 モールドが甘くなる理由としては、修理(塗装)によるものと、原型によるものがあります。修理だけが原因とすると、新規に製作したマスクでは常にエッジが立っているはずです。そう考えて新1号のマスクを見ると、新しいと思われるマスクでは、それなりにエッジが立っています。 原型の違いとなると、これはもう想像できません。単純に考えて、旧1号を最初に作った時の雌型で全てのライダーマスクが作られたなどということは、ありえない話です。問題は、旧1号の雌型を作ったときの「オリジナルマスターモデル」がどこまで使用されたのか?でしょう。もし、この「オリジナルマスターモデル」が現存するならば、現在でも「オリジナルレプリカ」が製作できるということになります。 耳に話を戻すと、旧1号とはいえ、普通にモールドを作ったレベルであれば十分で、わざわざ意識的にエッジを立てる必要もないだろうと思っています。 次に、左右対称についてですが、耳については左右同時に見ることは不可能なので、自己満足の範囲で十分でしょう。実物のスチールを検討しても、意外と左右が異なっています。 私が未だに悩んでいるのは、耳の外形とマスクの外形の境界ラインに「段」をつけるかつけないか、です。成形しやすさを考えると、「段」をつけた方が明らかに成形しやすいです。ただ、初期のマスクなどを見ると、「段」をできるだけつけないように成形しようとした姿勢が感じられるので、つけないように、かつ、境界線のエッジをできるだけシャープに整形してみました。 穴に関しては、写真から数や位置が確認できます。太さは3~4mmでしょうか。今回の試作品では穴を大きく開けて「チャチ」にしたくなかったので、2mmのドリルを使用しました。使用するドリル径によって穴の中心が異なるので、開ける際には注意が必要です。前側のラインに接するギリギリに中心を持っていくように、あらかじめポイントを作っておいた方が良いでしょう。 |